44.マントルが光るのには、どんな秘密があるの?(2018/09/16)

◆製造過程で、熱を帯びると発光する特殊な物質を線維に染み込ませ、燃料の燃える熱で明るく輝く

日本市場で一番多く出まわっているのは、コールマン社のマントルだ、と思う。

コールマン社でマントルを作っているのは、同社の本社があるカンザス州のウィチタにあるノース工場だ。私は、3回ほど訪れたことがあり、毎回ファクトリー・ツアー(工場見学)に参加したが、工場内は1カ所を除いてすべて写真撮影できた。唯一撮影禁止といわれたのが、隔離するように別室になっているマントルを作っている室内であった。

目で見た作業工程の記憶をたどってみる。

①靴下を編むような編み機で、延々と丸い筒状のものを編みつづける。

②大きな塊となったものを切り離し、薬品の入った水槽に入れて薬品を染み込ませる。

実はこの薬品に大きな秘密があるらしく、一度、一緒にまわったインターナショナル担当の副社長も知らないといっていた

③薬品から上げて乾燥させたものを、商品となる一枚一枚のサイズにカットする。

④一枚一枚下部をミシンで縫いつけて裏返し、縫い目が内側になるようにする。

⑤ひとつかみずつ手にとって、縫いつけた反対側を染料の中に入れて着色する。

⑥一枚一枚専用工具にかぶせ、バーナーチューブに取リ付けるための特殊なひもを通す。

⑦一枚一枚スタンプでロゴマークを印刷する。

⑧検品して袋詰め。

作業順序は多少違っているかもしれないが、だいたいこんな感じでマントルは作られている。

なんでもかんでもロボットが導入され、機械化の進んだ現代にあって、コールマン社の工場では人間の手による作業工程の多さに驚かされた。マントルの作業工程も、女性が大半を占めていて、ほとんどが手作業であった。

マントルに使われる素材は、1980年代まではシルクを使い、薬品の中に放射能を含んだ物質が混入されていた。1990年代になって、放射能を含んだ物質を入れなくても明るい光を放ち、素材の強度を高める薬品が開発された。繊維の素材も新しく開発された、熱に強い化学繊維が装われ、編み込んだ糸もシルクを使っていたころより太いものを使っているそうだ。

新しい薬品で作ったマントルは、アメリカ市場で販売されるパッケージには「4倍強くなった」と表示されていた。

長年コールマン社のマントルを使っているが、25年前のものはけっこう強かったが、15年前くらいから弱くなっていた。この新しい薬品で作られたマントルは、手にとっただけで強くなったと感じるし、実際に使ってみても、たしかにかなり強くなったことがわかるのだ。

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