62.クーラーボックスに温かいものを入れても大丈夫?(2018/10/06)

◆分厚いウレタン・フォームでできたものなら、60℃以下の温度であれば大丈夫だと思うが、勧められない
クーラーは自分自身で冷やしたり、もちろん温めたりする機能は、いっさいもちあわせていない。入れたものの温度を、持続させるようにできているのだ。だから一般的には冷たさを長く保つために氷を入れて利用する。

温度を持続させるのであれば、熱いものでもかまわないではないか。と思いがちだが、どっこい、商品を形成している材質に問題がある。多くのクーラーボックスは、中に入れた保冷材のウレタンフォームを、外側と内側から硬質プラスチックで包み込んでできている。このプラスチックは熱で溶かして加工する。もともと、プラスチックは高熱に触れると変形する熱に弱い材質なのだ。私の失敗でも、一度オーブンで熱くなった皿をクーラーの上に置いて、ふたのプラスチックを溶かしたことがある。

某メーカーから以前販売されていたもので、車のDC電源を利用し、スイッチの切り替えで、冷却と保温の両方の機能が備えたサーモクーラーがあった。私の記憶が正しければ、この商品の取り扱い説明書では、高温だと変形するので、60℃以下で使うように指示してあったと思う。この商品のウレタンフォームは、熱伝導を抑えるためか、通常のクーラーの2倍以上の厚みだった。

ある日、薄いウレタンフォームでできたクーラーボックスのふたをしたまま、真夏の炎天下で高温になった車の中に長時間入れておいて、本体が外側に膨らむように変形させたことがある。こうなると、ふたをしてもすき間ができて、クーラーとしての機能を果たさなくなり、ただのプラスチックの箱になってしまったのだ。

この変形したクーラーにガラクタを入れて、ふたもしないで明け方にはマイナス10℃以下に冷え込む真冬の山の中に放置しておいたら、膨らんで丸くなっていたクーラーが元に戻っていた。熱で変化するプラスチックは高熱にも弱いが、強い冷気の影響も受けるようだ。人間を長くやっていると、いろんな経験をさせられるものだ。

何事も試したくなるのが私の性格である。クーラーに熱いものを入れてテストしてみた。結果を教えよう。大きな鍋で時間をかけて大量の水を沸騰させ、容量の1/2強まで熱湯を入れ、ふたをして放置した。1時間ほどそのままにして外側を触ったら、かなり熱くなっている。おまけに、周囲にはプラスチックのにおいが漂っている。ふたを開けたら、プラスチックの強烈なにおいが噴き出すように外に出てきた。

長時間のテストではないので、温度の変化までは調べなかったが、見た目で形状の変化を調べると、本体の外側が少し内側に引っ込んだようになり、内壁の表面が軽く波打つように変化した。

どのメーカーも、冷たいものを入れることだけを考えて作っているはずだ。購入時に入っている注意書きにも「熱いものを入れないでください」とある。熱いものを入れるなら自己の責任にて対処すべし。

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